幅広い仕事を経験できる総合病院

看護師が就職先として病院を選ぶことを考えた時、総合病院にするか各診療科の専門病院を選ぶかは、大きな悩みとなりやすいです。全体としては、総合病院の方が人気がありますが、人気を理由に選んでしまっていいのかという点も、大きな悩みになるでしょう。

総合病院に就職するメリットは、なんといっても看護師として幅広い仕事を経験する機会が得られることです。専門病院では、その診療科に特化した経験しか積めませんが、総合病院では複数の診療科にわたって、様々な仕事を経験できます。

総合病院でも、看護師は特定の診療科に配属されて働き、専門性を高めてスペシャリストな看護師として、活躍できるようになることが求められるのが一般的です。しかし、その前段階として、ジョブローテーションが組まれている現場が多くなっています。

新人教育の一環に、ジョブローテーションを取り入れているのが典型的でしょう。複数の診療科で仕事をする経験を積み、その中で適正があるのはどこかを見極めることを目的として行われているのです。

複数の診療科の仕事を経験してみると、看護師本人としてもどの診療科が自分に合っているかを考えやすくなります。その結果を踏まえて、本人の希望と客観的な視点からの適性の有無、受け入れ先の診療科の上長の判断によって、専門の診療科が決定されるのが通例です。

この場合、適性に合った診療科で働ける場合がほとんどなことが少なくありません。このように総合病院を選ぶと、適性について自分では今はわからないという人も、よりよい診療科で働けるようになります。

看護師として働く魅力や求められる仕事など

総合病院には、内科や外科をはじめ、小児科、泌尿器科など多数の診療科があります。総合病院で働く看護師の数も多く、所属する診療科が稀に人事異動で変わることもあるでしょう。

希望する診療科に配属されることもあれば、そうでない部署に配置されることもあり、不本意な人事の場合は退職する看護師も珍しくありません。ほかの診療科の看護師と交流する機会も多く、医療に関する様々な情報を交換することが可能です。

また、総合病院には看護師や医師のほか、薬剤師やレントゲン技師、作業療法士、臨床心理士など、多岐にわたる職種の医療従事者がいます。看護師は、このような他職種の職員と協力する場面も多々あり、広い視野で医療に携われるのが特徴です。

こうした他職種の職員とは、合同カンファレンスで情報共有して、医療の連携を図ります。カンファレンスとは、打ち合わせのことです。

それから、総合病院の看護師は、院内研修や外部のセミナーなどへ積極的に参加することを求められる場合も多いといえるでしょう。総合病院の看護師全体の質の向上のため、日進月歩の医療技術を学ぶ研修は欠かせないのです。

看護師自身は、看護やケアのほかに必要なことが増えるため、負担を感じることもあるでしょう。しかし、個人のスキルアップにもつながる研修に参加することには、とても大きな意義があります。

ちなみに、総合病院は労働環境が整っていて、福利厚生も充実しているところが少なくありません。正規職員として採用された看護師は、ある程度安定した生活が保証されるでしょう。